無知の知。

いやいや、哲学の話をしようというわけではありません。
これ、高校の倫理社会で(いまそんな科目あるの?)習った言葉です。私はそれをしらないということを知っている、という意味らしいですが、問題は知らないってことを事後的にしか認識できないってことですよね。

で、オーディオの話です。当店に来店された心ある&耳もあるお客様から音質についてのご指摘を幾度かいただいておりました。私自身、これはこんなものかな、PA用のシステムだし、スピーカーに至ってはPA用そのものだししょうがないよなあ、という思いでご指摘を受け流していたわけですが、宮城県のジャズ喫茶訪問(多賀城市のパラゴニアンさん&栗原市のコロポックルさん)以後、高音質で名高い同業者たちとのとんでもない差に少なからず焦燥感(というか劣等感)を感じておりました。
あるとき、ツイーターの音量を尋常でなくあげてみたらどうなるかと思いたち、チャンネルデバイダーのOUTPUTつまみとツイーターを駆動するアンプのボリュームつまみを思い切って回してみたわけですよ。そしたら音が激変、音場は広がり奥行もくっきり、ハイハットシンバルは真鍮製の円盤が振動する様がなまめかしく、ラッパは金属の管が振動するさまも目に見えるよう。ボーカルは歌手の存在がリアルに感じるし、クラシックのオーケストラは弦楽器が艶やかにホール中に鳴り響くではありませんが。
そりゃそうですよね。世界に冠たるJBL。それなのにこの業界の先輩がたがJBLはすごい、素晴らしいを連呼するのを一歩二歩引いてみていた私。結局私に使いこなすウデがなかったことがすべての原因とわかり、ああすみません私がバカでしたと今ひたすらに頭を垂れております。

で、改めて思うに、同業者を含む当店のお客様たちは「おまえはアタマも耳も悪い」と言っていたわけですよね。いやあ、なかなかにキビシイ世界であります。

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。